記録|シオヤプロジェクトの勝手にまち探訪 vol.1 丸山編

2023.06.09

5年前のシオヤプロジェクトの勝手にまち探訪 vol.1 長田山手|丸山編を振り返ってみた。面白すぎて大興奮したまちあるきだった。かなり時間を掛けて帰路を楽しんだ回だったこともあり、あの日ぐるぐると頭を駆け巡っていたのは「間に合って欲しい」という言葉だった。
塩屋で数年しつこく町を文化的にいじる「シオヤプロジェクト」という活動をしてきて、「塩屋おもしろそう」と人が言い始め、それまでになかった新しいタイプの店が出来たり、面白い人が移住し始めた。塩屋在住の木版画家西野通広さんと塩屋の中をひたすら歩き回っていたまちあるきも「ぶらり塩屋の町-歩いて、観て、感じて、発見マップ」を完成させたことで、一旦区切りをつけて勝手に「よその」まち探訪を始めた。
その栄えある1回目に選んだのが「丸山」。神戸のネパールとかファヴェーラとか長田山手の別荘地、いろんな見立てはある。僕にとっては「ジェットコースター」のようなまち。激しい谷間が襞(ひだ)のようにある高低差の宝庫、丸山の細い路地や階段は驚きの連鎖を引き起こす。丸山の面白さと比べたら塩屋の高低差や細い路地や階段なんてハナクソレベルだと思ったりもした。調子こいてすいませんでしたっ!
もちろん、その高低差の襞の間に歴史・文化、そして豊かな営みがある。
この時に健在だった、いずれも老舗の和菓子屋「玉川」、天ぷら「天よし」、銭湯「妙泉寺湯」は残念ながら閉業してしまった。
そして、当時空き家になっていた大日温泉はイベントスペース「旧大日温泉」として、廃屋になっていた神鉄丸山駅のすぐ南の谷間の廃屋群は「バラックリン」として、丸山病院の前の素敵な空き家は「まちのあかり 丸山の家」、さらに、丸山の麓、名倉町の「名倉市場」はアートな空間として息を吹き返しつつある。
実際、間に合ったのか、間に合わなかったのか5勝5敗、そんな感じ。でも、丸山の面白さを共有する人は確実に増えている。
一番のロスは、この第一回の案内人、長田の郷土史家わだかん(和田幹司)さんがもうこの世に居ないことだ。まちあるきの時に「名倉市場」を再発見し「おお、まだあったー」と喜んでた顔が浮かぶ。わだかんさん、名倉市場は間に合ったかもしれないよ。合掌。

文・写真 森本アリ(2023年5月30日)

INFORMATION

シオヤプロジェクト(略してシオプロ)で「地図プロジェクト」と称して、塩屋の細い道・階段、行けるの行けないの?私道だけど生活道なコア過ぎる町歩きを過去3年に渡り行ってきました。その成果は「西野通広さんのぶらり塩屋のまち①駅前エリア②塩屋町エリア」という絵地図にまとめられました。塩屋の道を一応知り尽くした私たちは他の面白そうな街に出ます!『勝手にまち探訪』第1弾は長田の急斜面の町「丸山」。同じ長田でもJR・山陽沿線よりはるか山側に長〜く続く、高低差が、歴史文化が、交差する、神戸・山の手とはちょっと違う、塩屋に似たちょっとしたたくましさを感じる長田・山の手を探検に行こうではないか。

案内人:わだかん(和田幹司)さん

日  時:2018年5月31日 (木) 10:00-16:00
探訪場所:丸山地区(神戸市長田区)
集合場所:神戸電鉄 丸山駅
料  金:500円

わだかん(和田幹司)
74歳のよっぱらいです。 神戸の長田には、、人を酔わすものもあります。ほんとはーー自分は好きで住んでるのに、長田をマイナスイメージで語ってしまう人も多いです。長田に長く住んでます。NY,NJ,ハンブルク、パリ、東京、堺にも住みました。自分の住む町、いつも好きです。ながたのことなら、「まかしなさい」

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勝手にまち探訪は、神戸市内の、ガイドブックには載らない一癖ある個性の強い町を選び、その町をよく知る案内人とともに7時間歩き倒し、それぞれのエリアの魅力を発見するまち歩きです。