














昔の字名が自治会や公園の名称に残っている。住所は「塩屋町5丁目」だが、高尾小谷自治会や、天神ヶ平公園など。僕はこの近所に10年暮らしていた。
他都市で塩屋の町についてのプレゼンをする機会も多いのだけど、この投稿の1枚目の写真と同じアングルの写真をよく使用する。そして「塩屋は車の入れない集落も多く、その集落内には現在の法律では再建築不可とされる家も多い。一度壊すともう建てられないので、リノベーションをするのがこの町のやり方。外のボリュームを変えずに、中はより豊かに」などと理想を断言的に話したりする。
その理想の感じの町の使い方・遊び方を、今回のこの坂道で行ったのが「しおや歩き回り音楽会」だった。2014年から2017年の間に5回行った、まち全体をまるで遊園地のアトラクションのように使った音楽会。「しおや歩き回り音楽会」とYouTube検索してもらえれば、いくつかの全長版2時間半(笑)の動画が出てくる。よかったらお楽しみあれ。
2時間半まちをぐるっと歩く間に、家のベランダやビルの屋上や階段や塀の上から、総勢40組近くの塩屋在住のアーティストが顔を出し、短い人は数十秒、長くて数分のパフォーマンスを繰り広げる。段差があればそれはステージ。
2017年11月26日に行われた、「しおさい2017」を締めくくるイベント「しおや歩き回り音楽会2017」では、この坂の段差のある分かれ道で演奏が行われた。にわかラッパー集団「シオヤポッセ」と、友人の家のベランダを使ったスチールパンユニット「しおぱん」の臨場感あふれる写真が残っている。高低差の多いまちはステージだ。
ちなみに、神奈川県足柄下郡真鶴町の「小学校下」というバス停は最高のステージだと思ってる。ステージが3段階くらいある。フェス会場だな。
というわけで、「塩屋町5丁目|高尾小谷天神ヶ平の坂」。南東側から入るとすぐに山陽電鉄の線路とひっつく。実はここ、昔は山陽電鉄と国鉄を横切って海まで駆け抜ける道があったらしい。そこから黄色い滑り止めが貼りつけられた(緑が映える)道を抜けて右折、くねくねと細道をのぼる。友人知人がいるのでこの細くて急な坂道の引越しも何度か手伝った。チームワークも個人的スキルも坂を登り降りする度に上がっていく。めちゃめちゃしんどいけどめちゃめちゃたのしい。
そしてやっぱり、坂を登るとご褒美の海への景色も広がる。漁港が見える。
文・写真:森本アリ(旧グッゲンハイム邸|シオヤプロジェクト|三田村管打団?|音遊びの会)


