坂調査隊の塩屋坂しらべ

2026.03.24

塩屋にある坂と階段を徹底調査。
それぞれの坂や階段の違いを調べてみると、
いつも上り下りしているどの坂や階段にも独特の面白さがありました!


共存型と循環型

坂に埋め込まれた階段や、坂の両脇にある階段、あるいは階段の中にある坂など、坂と階段の「共存型」とも呼べるものが多数ありました。また、出発点は同じでも、ゴールが少しだけ違っていたり、坂、階段のどちらも選べるものも。こうした「循環型」では、ぐるぐる回って鬼ごっこができる遊び場になります。




滑り止め

急坂に見られる滑り止めも、塩屋ではまるでパッチワーク。私道であることが多いため、区画ごとに補修されています。赤、O型、直線、ひし形、枯山水のような模様……と多様な滑り止めがあり、よくあるO型の中でも、大きさや配列に違いが見られ、こうした滑り止めが路面の表情を豊かにしています。




カスタマイズ

駐車のために段差を埋めていたり、斜面を活かした植栽の置き方や、斜めに加工された塀などカスタマイズの工夫もいろいろ。階段がなければ作ろうという「DIY階段」も坂の暮らしを便利にする方法のひとつです。



角度

iPhoneの計測アプリで調査。体感としては、13度を超えると身体にこたえ、20度を超えると転がり落ちそうな感じでした(20度以上だと階段が併設されるケースが多い)。局所的に40度以上となる坂もあり、調査ではこれを「最大瞬間角度」と呼んでいました。調査中には「ここで人がこけてね、下までおちたらしいよ。コロコロっと」とまちの声も!

塩屋の坂と階段の角度を計測してみた。循環型として写真を掲載した3丁目西向き地蔵前の坂が約20度、階段が約40度だ。驚いたのは日本で車で上がる一般的な急坂が7度程度からということ。塩屋では急に感じる角度の基準が13度、とても急が22度だった。塩屋の場合、坂が長くはないということが言えるが、通称、日本一の急坂を超える坂はいくつもあった。その中での生活に必然になるDIYな工夫の数々がとても楽しい。塩屋の坂は毎日の生活と共にある。

坂の角度(勾配)はパーセント(%)で表されることが多い。
勾配100%(=45度)。15%以上で非常に急とされる。
日本一の急坂で有名な生駒山の暗峠は約37%(約20度)。


取材・文:森本アリ、ひらかわたかあき、大前颯希 写真:山下雄登