塩屋坂01「しおやこどもえんの前の地獄坂、または赤い坂」

2026.03.14











「しおやカルタ」の「き」の読み札「きゅうなさか じごくじごくと げんきなばあちゃん」の句で真っ先に思い浮かぶのはこの坂。「しおやこどもえん」はこの坂の中腹に位置するので、お父さんお母さんが修行のようにベビーカーを押しながら登る光景は毎日のこと。彼らの「じごくじごく」というつぶやきが聞こえてきそうだ。

他のまちに住んでいる方々に塩屋の案内をすることがある。たいてい聞こえてくるのは「こんな坂、毎日上がり下りするの? 私は住めない」。僕はいつも、先ほどの読み札の一句を返し、「毎日この坂を上がって真冬でも汗かいてると体の代謝もよくなるみたいで、寿命が10歳から20歳は長い気がするんですよねー」なんて話すことが多い。実際結構な割合で超人級に元気な高齢の人がいる気がする。あながち「毎日の健康は坂の登り降りから」は否定できないだろう。

この坂が赤いのは滑り止めの色。坂の傾斜度はハンパない。20%以上を計測する場所もある。滑りそう、ふくらはぎの筋肉がいつもの使い方と違う、なんて足元のことで頭がいっぱいになりそうだけど、ぜひ視線を上げて降りて欲しい。向こう正面を見ながら坂を下ると、この坂(3丁目)の対面の斜面(4丁目)の立体的な傾斜地集落が目前に迫ってくる。その谷間、谷底を塩屋谷川が流れている。ちなみに、2ヶ月に1度塩屋谷川の川遊びが実施されている。この川遊び、うなぎ、えび、かに、かめなど意外と水生生物が豊富なことに驚くのでぜひ一度ご体験あれ。

文・写真:森本アリ(旧グッゲンハイム邸|シオヤプロジェクト|三田村管打団?|音遊びの会)